J-STAGE DataによるElectrochemistry誌掲載論文のオープンデータの取り組みについて

2021年4月5日

公益社団法人電気化学会 編集委員会

Electrochemistry 副編集長 水畑 穣

 

 2013年のG8サミットにおいて「オープンデータ憲章」が合意されて以来、研究環境のICT 化の急速な進展により研究データの電子化が促進され、研究データの収集・蓄積・公開を通して、各学問領域の研究活動の迅速化や学際的な研究活動の進展、データ科学による新たな研究領域の創成が期待されています。さらに、研究データの信頼性確保や研究不正防止の観点から、研究データは爆発的に増大している中、研究データの保存と適切な公開や共有・相互利用が求められ、オープンサイエンスの推進に向けた国際的な議論や取組が行われています。

 

 我が国でも科学技術・イノベーション政策の中で、データリポジトリの構築の必要性が謳われるようになり、本会英文誌Electrochemistryが掲載されているJ-STAGEにおいては20203月から日本におけるオープンサイエンスの推進に資することを目的にJ-STAGE Dataのパイロット運用を開始しておりましたが、20213月から正式に運用されることになりました。

 

 本会はJ-STAGE Dataの本格運用に先立ち、パイロット運用の取り組みに参加し、J-STAGE Dataの活用について検討しておりましたが、202145日に試行データ5件が下記URLにて掲載されることになりました。

  https://jstagedata.jst.go.jp/electrochemistry

 今後、多くの研究機関でデータポリシーが策定されると予想される中、他誌に先だってJ-STAGE Dataの活用を進め、J-STAGE Dataでのデータ公開を通じて、オープンアクセスのデータとして全世界に流通されます。論文の公開だけでなく、データの引用、共有、再利用等、著作権者が定めた条件下での活用ができます。本格的な運用を準備するに当たり、データリポジトリの有り方についてご検討いただきますようお願い申し上げます。

 

 なお、Electrochemistryへの論文投稿に伴うJ-STAGE Dataへのデータ登録の方法については近く告知いたします。

 

・関連URL

J-STAGE Data:

 https://jstagedata.jst.go.jp/

J-STAGE Dataリリースノート:

 https://www.jstage.jst.go.jp/static/files/ja/pub_release_jstage-data.pdf

第6次科学技術・イノベーション基本計画(2021年3月26日閣議決定):

 https://www8.cao.go.jp/cstp/kihonkeikaku/6honbun.pdf

 59ページ 「(b) あるべき姿とその実現に向けた⽅向性」参照