電気化学誌の即時フリーアクセス化への移行について
2024年10月18日
会員各位
公益社団法人 電気化学会
会長 井手本 康
電気化学誌の即時フリーアクセス化への移行について
大学等の図書館から電気化学誌の電子閲覧のご要望が寄せられていることを踏まえ、理事会においてその対応を検討して参りました。現在の本会会員種別には図書館等に適合する会員種別は無いことに加え、図書館利用者に広くID/PWDを付与した場合には、ID/PWDの適正管理の困難が予想されます。一方で、多くの方が電気化学誌を閲覧し、学習に活用し、あるいは引用していただけることは、測定法を始めとする学術技術の記事・論文の執筆者(多くは会員)として歓迎することであると考えます。そして、電気化学会が「邦文の学術誌」を100年近くにわたって継続発行が出来ている事実は、日本の学術文化の深さ高さを示すものです。その電気化学誌を、最高学府である国内大学に学ぶ学生、院生の皆さんの学習および研究に活かす機会を維持し且つ拡大することは、公益社団法人たる電気化学会が果たすべき活動意義と社会貢献であることは明らかです。
以上のことを鑑み、理事会で審議し、電気化学誌のエンバーゴ期間(会員および有料での購読のみ可能となる期間:1年間)を廃し、即時公開へ移行することを決定いたしました。電子的な無料閲覧の仕方には大きく分けて、オープンアクセス(予め定めた範囲内で二次利用が可能)と、フリーアクセス(二次利用に際しては本会への確認が必要)の2通りがあります。電気化学誌では、編集委員会の努力により、時機を捉えた記事が多く掲載され、その結果、転載利用に伴う許諾使用料収入が拡大してきております。即時公開することによって、よりタイミングよくキーワード索等により電気化学誌記事がヒットし、閲覧者の増加と二次活用(被引用・転載)が増加することが見込まれます。そのこと踏まえ、無料閲覧の公開方法を「フリーアクセス」として即時公開を行うことにより、著者は著作物の被引用を増やすことを期待でき、且つ学会としての著作権使用料等収入が増えることを期待でき、同時に公益への貢献度の高さを示すことが出来ます。
以上のことから、理事会として、電気化学誌をフリーアクセスにより即時公開する方針を審議し決定しました。Vol93 No.1号(2025年3月5日発行)から即時公開となります。
会員の皆様のご協力ご理解を賜れますようお願いいたします。