公益社団法人への移行について

1. 公益法人改革について

公益法人は、旧民法の規定に基づいて設立された法人であり、本会のような社団法人と財団法人の合計で、25,000法人余りが存在しています。公益法人は、公益、すなわち営利性のない法人として主務官庁の許可のもとで設立され、法人税等の優遇を受けていますが、それを悪用した脱税や私物化、主務官庁による関与の増大等の弊害が多くなったため、公益法人改革の必要性が生じました。新しい公益法人は、主務官庁の許認可を廃し、定款自治の名の下で、自ら運営する法人となる必要があります。

平成20年12月1日に、公益法人改革に関する新しい3つの法律が施行され、既存の公益法人は、5年以内に、次のいずれかの道を選択することになりました。

  1. 公益社団法人・公益財団法人への移行を行う
  2. 一般社団法人・一般財団法人への移行を行う
  3. 株式会社、NPO法人等、社団法人・財団法人以外の法人となる
  4. 解散する(法人格のない任意団体としての事業の継続は可能)

詳しい経緯等は公益法人行政情報総合サイトにパンフレットがありますので、ご参照ください。

2. 公益社団法人と一般社団法人の相違

公益法人には社団法人と財団法人がありますが、ここでは、社団法人の新制度移行申請について説明します。

既存の社団法人が、社団法人としての活動を今後も行うのであれば、「公益社団法人」か「一般社団法人」を選択し、移行の手続きを行うこととなりますが、この2つの違いの主なものは、次のとおりです。

公益社団法人 一般社団法人
事業内容 公益目的事業が50%以上 事業制約なし
法人税 公益目的事業は、法人税法上の収益事業であっても非課税 法人税法に規定する収益事業にのみ課税
利息等の源泉所得税 免税 20%(国税15%、地方税5%)の源泉徴収
法人への寄附金 所得税控除を受けられる

なお、公益社団法人になるためには、内閣府の定める公益目的事業において、収入が支出を超えないこと、前年度の公益目的事業費相当額以上の遊休財産を持たないことなどの認定基準をクリアする必要があります。

3. 社団法人電気化学会の方針

会員皆様ご存じのように、本会は「電気化学および工業物理化学に関する産業・学術の進歩発展を図る」ことを目的に、昭和10年2月、当時の商工省と文部省の認可により社団法人「電気化学協会」として設立され、平成8年に「電気化学会」へ改称しました。来年には創立75周年を迎えます。これまで、学術講演会、セミナーの開催や会誌の刊行、そして研究業績の表彰に関する事業を通じて、学会員のみならず、広く社会の学術の振興を目的とした学会事業を進めてまいりました。

今般の公益法人に関する新法の施行後、本会では専門家を交えたプロジェクトチームにより法人化に関する情報収集と検討を行ってまいりました。その結果、現在実施している事業等が、公益社団法人となる認定基準を満たしていると判断いたしましたので、本会は公益法人化を前提に作業をすすめることを6月の理事会に提案し、承認されました。

公益認定を得るためには、定款、会計、組織などの変更を含む多くの検討課題があります。公益法人への移行にあたっては、移行の決定、定款の変更承認など、総会における決定を伴う事項もありますので、会員の皆様に開かれた形で議論を進めていきたいと考えております。必要な情報は、今後、学会ホームページを通じて発信してまいりますが、会員の皆様からは、広くご意見、ご質問をいただきたいと存じます。詳しい内容につきましては、学会ホームページを是非ご覧ください。

社団法人電気化学会が、学術団体として公に益する法人であることを積極的にアピールし、永続していくためにも、皆様の声をお寄せいただけますよう、ご協力よろしくお願いいたします。

ご意見等締切日:平成21年10月31日(土)
E-mail:koeki@electrochem.jp


PDF版のダウンロード