本会大会講演要旨のバックナンバーを整備しました

2024年4月12日

公益社団法人電気化学会
創立90周年事業委員会
編集委員会出版部

 この度、電気化学会が主催する大会講演要旨のバックナンバーがアップロードされましたので、お知らせいたします。これまで電子ファイルとして頒布されてきた要旨集のウェブサイト https://www.electrochem.jp/abstracts/ に冊子体で発行されてきた要旨集をデジタルアーカイブとして追加したものです。

 大会の記録は19331019-21日に開催された第1回大会の講演が文字として起こされ、「電気化学」第1巻第4号に要旨を、第5号を「第1回大会号」として発刊されたものが最初となります。初日に行われた開会宣言(https://rekion.dl.ndl.go.jp/pid/2307641/1/4)では「本会は茲(ここ)に第1回大会を開くに当り現下の世界の情勢と遠大なる帝国の使命とに鑑み深く斯界の特有性を認識し其の独自性を発揮し益々之れが振作の方策を講じ以て国運発展の資に寄与せんことを期す」と謳われ、電気化学協会の発展を祈念する祝辞が続いています。大会の目的は時代とともに大きく変わりましたが、会員が集う目的は変わらず、多くの参加者・講演者による電気化学の学術と産業との関わりへの期待が記録されています。

 当初、講演要旨は大会参加者のみに配布される限定的な資料として発行されており、大会開催後、決められた期日をもって公開を停止し、その後は非公開とされておりましたが、20187月開催の第42回理事会で要旨集のアーカイブ作業に関する方向性が審議されました。20227月に『大会講演要旨の著者権の取り扱い』が取り決められ、この決定に従いすでに電子化された2015年以降の要旨集が公開されました。さらに2023年、創立90周年を迎え、本会の歴史・沿革に関わる資料の公開を兼ねた事業として現存する大会講演要旨集のデジタルアーカイブ化が企画され、実行に移されました。その際、散逸していた大会講演要旨集の収集への協力を募り、冊子体のインターネット公開のため、『電気化学会(旧・電気化学協会)大会講演要旨の著作権譲渡のお願い』 の公示期間を経て、20241月から作業を開始し、今回の公開に至っています。

 上記の合意事項の制定を通して、著者の権利と公益性に鑑み、今後もこれまでと同様、大会開催日初日から起算して1年が経過した後の要旨については、著者が所属する機関リポジトリに掲載を認めるとともに,本会HPにおいて公開し、大会講演要旨の活用を通して、会員を始めとする皆様の利便性の向上と電気化学の普及に努めます。

 なお、本誌の公開にあたり、過去の大会講演要旨集の収集にご協力いただいた会員の皆様に厚く感謝申し上げます。